2020年度支部市民講座(動画視聴形式)
日本表面真空学会東北・北海道支部の令和2年度市民講座は、新型コロナ感染対策のためYoutubeによる動画視聴形式といたします。
市民講座動画1
東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター
高桑雄二先生
「古くて新しい炭素材料の作り方」
炭素材料は紀元前から木炭、墨、建築材などとして広く使用され、近年では航空機の機体材料として炭素繊維複合体、切断加工材としてだけでなく放熱のためにダイヤモンド、アルミニウム製錬やシリコン結晶成長などに黒煙が不可欠となっている。これらに加えてナノダイヤモンド、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクカーボン、グラフェンなどのナノ炭素材料も優れた特性から注目を集めている。講演ではこれらの炭素材料は全て炭素原子だけでできていること、炭素原子の間の化学結合の仕方に依存して特性が大きく異なることを紹介する。これらの炭素材料を作り分けるため、これまでに開発された方法の長所と短所を説明する。メタンやアルコールなどの炭化水素ガスを用いても全ての炭素材料を合成できるが、煤発生、低いエネルギー消費効率、遅い合成速度などの問題がある。これらの課題を解決するために開発した光電子制御プラズマCVDについて説明する。この方法では基板表面に紫外線を照射し、放出される光電子を用いて直流放電を制御する方法である。いくつかの合成した炭素材料を紹介する。
市民講座動画2
北海道大学 大学院理学研究院 化学部門
上野貢生先生
「金属ナノ構造による光の貯蔵と表面化学反応」
光は高速で且つ波長程度の広がりを持っていることから貯蔵することが困難です。金属ナノ微粒子表面に存在する自由電子の波に光エネルギーを受け渡すことで、光をある程度の時間閉じ込めることが可能な局在表面プラズモン共鳴が現在注目されています。本講座では、表面光化学反応や現象を利用して空間選択的ナノ加工や遠赤外の光センサーを開発した研究成果について紹介いたします。
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