会誌「表面科学」

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 第37巻 第2号  2016年2月

Editor's Choice

(a) 硬X線XPS(HAXPES)と(b) 全反射X線吸収微細構造(total reflection XAFS)の測定配置の模式図.


表面科学 第37巻 第2号 (2016) p. 52

特集テーマの関連論文

時間分解NEXAFSとモンテカルロ法によるPt(111)上の水生成反応の反応機構の解明
長坂 将成, 近藤 寛, 雨宮 健太, 南部 英, 中井 郁代, 島田 透, 太田 俊明
Vol. 26 (2005) No. 7 p. 378

X線で水分子と水素結合を観る
小笠原 寛人
Vol. 27 (2006) No. 4 p. 220

電極表面における水の構造と電極電位の関係
伊藤 正時
Vol. 30 (2009) No. 3 p. 130

X線分光による白金ナノ粒子表面の構造物性解析
今井 英人
Vol. 31 (2010) No. 10 p. 525

カーボンナノチューブを担体とした電極触媒の特異性
中村 潤児, 近藤 剛弘
Vol. 32 (2011) No. 11 p. 704

4,5族酸化物をベースとした非白金酸素還元触媒の開発
石原 顕光, 大城 善郎, 今井 英人, 太田 健一郎
Vol. 32 (2011) No. 11 p. 710

カーボンアロイ触媒の放射光解析
原田 慈久, 小林 正起, 丹羽 秀治, 齋藤 信, 尾嶋 正治
Vol. 32 (2011) No. 11 p. 716

表面X線散乱法による固液界面のダイナミクス追跡
田村 和久
Vol. 33 (2012) No. 9 p. 524

固液界面へのその場共鳴表面X線散乱法の適用
近藤 敏啓, 魚崎 浩平
Vol. 34 (2013) No. 7 p. 385

Contents


■ 巻頭言

次世代燃料電池・蓄電池の最先端計測評価への期待

岩澤 康裕
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 51


■ 特集:放射光を用いた電池および燃料電池の研究

(研究紹介)
リチウム電池の電極電解質界面の構造研究

菅野 了次,平山 雅章,鈴木 耕太,田村 和久
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 52



(研究紹介)
放射光によるリチウムイオン二次電池の反応解析

久保渕 啓,茂木 昌都,今井 英人
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 60



(研究紹介)
オペランド軟X線発光分光によるリチウムイオン電池の研究

朝倉 大輔,細野 英司,原田 慈久
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 66



(研究紹介)
放射光利用SXS法による電極触媒のその場構造追跡―金単結晶電極/電解質溶液界面の電位依存性の動的追跡―

近藤 敏啓,魚崎 浩平
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 72



(研究紹介)
アニオン形燃料電池用非白金系電極触媒の開発

坂本 友和,岸 浩史,山口 進,田中 裕久,松村 大樹,田村 和久,西畑 保雄
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 78



(研究紹介)
XAFSを用いた固体酸化物形燃料電池の電極反応解析

雨澤 浩史
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 84


■ 連載企画

(安全な社会と表面科学②)
社会を取り巻く安全・安心

市川 宏雄
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 90


■ 談話室

(海外研究体験記)
ハンブルク滞在記

山本 真幸
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 93


■ 表面科学技術者資格認定試験例題

表面科学技術者資格認定試験例題 No. 29


■ 先端追跡

[R-577] 接触角測定による表面自由エネルギー評価
武井 孝
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 96

[R-578] 単一金属原子の挙動を利用したメモリ素子
内藤泰久
Vol. 37, No. 2 (2016) p. 96


■ FOCUS on e-JSSNT
e-JSSNT最新論文 No. 136

■ 編集後記

 これまで電極表面科学研究部会長として「水素の作り方」や「水素の取り扱い方」などの燃料電池に関する特集の,また一編集委員として「二次電池の表面科学」など蓄電池に関する特集の編集に携わってきた。「電極触媒を見る」ことの重要性について語る必要はないと思うが,電池の中の電極触媒を見ることは容易ではない。本特集では,燃料電池・蓄電池の研究がますます発展することを願って,放射光を利用して「電極触媒を見る」ことに成功している最新の研究例を紹介した。興味を持って読んでいただけたら幸いである。 
(近藤敏啓)

 本特集は,第36巻第11号「水素の取り扱い方」に続いて,電極表面科学研究委員会により進められました。産学官の第一線の研究者からの力のこもった解説に,心より感謝いたします。電池および燃料電池は,原子・分子レベルで進行する電気化学反応だけでなく,電子移動・物質移動・熱拡散といったミクロン・ミリメートルスケールでの解析が重要となります。放射光を用いた各種測定は,こういったマルチスケールでの階層的な過程を扱うのに適しており,利用の拡大が予想されます。日本における放射光施設のますますの充実を期待いたします。  
(犬飼潤治)


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