会誌「表面科学」

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 第34巻 第3号  2013年3月

Editor's Choice

文部科学省の航空機モニタリングによる
東日本のCs沈着状況

表面科学 第34巻 第3号 (2013) p. 108
Contents


■ 巻頭言

環境放射能の除染と計測に貢献する表面科学

藤田大介
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 107


■ 特集:放射能の除染にかかわる表面科学

(総合報告)
福島第一原子力発電所事故による放射性降下物で汚染された生活環境の回復技術

竹下健二
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 108



(研究紹介)
化学種解析に基づく放射性セシウムおよび放射性ヨウ素の移行挙動の理解

高橋嘉夫,東郷洋子,田中万也,坂口綾
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 119



(研究紹介)
環境試料中の単一核物質含有微粒子の分析

江坂文孝,間柄正明,鈴木大輔,宮本ユタカ,木村貴海
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 125



(研究紹介)
X線光電子分光分析によるセシウム化合物の化学シフト

八田珠郎,根本清子,万福裕造,松本成夫,山田裕久
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 131



(研究紹介)
粘土鉱物とゼオライトにおけるセシウムの吸着挙動:第一原理計算から見るその微視的機構

奥村雅彦,中村博樹,町田昌彦
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 135



(研究紹介)
ジオマテリアルを利用した除染

山田裕久,渡辺雄二郎,越後拓也,宮原英隆,田村堅志
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 143



(研究紹介)
酸化チタンによるセシウム安定閉じ込め

阿部英樹,佐藤晃
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 149


■ 連載企画

(エネルギー問題と表面科学B)
燃料電池の開発動向と今後の展開:特に固体酸化物形(SOFC)について

堀田照久
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 154


■ 談話室

(海外研究体験記)
エコールポリテクニック(フランス)留学体験記

新倉ちさと
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 156


■ 先端追跡

[R-507] シリコン原子でできた2次元ハニカム構造物質:シリセン
平山博之
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 158

[R-508] 化合物半導体/ゲート絶縁膜界面と表面構造
原紳介
Vol. 34, No. 3 (2013) p. 158


■ 編集後記

 放射性物質は表面吸着と拡散,化学結合を繰り返して,地球上に拡がっていきます。原子力発電所の事故に対して表面科学の研究者は,地表の微量物質を検出し,また吸着媒や結晶成長を利用して除染を行うなど,貢献できる領域が多々あります。  ともすれば「数値ではなく危険か安全かを教えてくれ」と,科学の立場からは回答できない質問にさらされながら一般向けセミナーを行う先生方もいらっしゃいます。別分野の方へのわかりやすさと,表面科学の厳格さを併せ持った原稿をいただけたと思います。
(板倉明子)

 東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故から2年の節目ということで,今回の特集号を企画させていただきました。皮肉にも,どうやら「人間の記憶の半減期」は放射性セシウムの半減期より,はるかに短いようで,「もう2年」どころか「まだ,たった2年」しかたっていないという現実を示すデータに衝撃を受けます。  今回,ご執筆いただいた著者の皆様は,薄情な「人間の記憶の風化」と日々戦い,こうしている今も福島でのフィールドワーク調査を続行中の方が多く,大変ご多忙のところ,ご執筆をいただきました。編集委員一同,心よりお礼申し上げます。
(三井 正)


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