日本表面真空学会 関東支部セミナー

カーボンニュートラルを切り開く表面真空科学

 

主催: 公益社団法人 日本表面真空学会 関東支部

日時: 2024326日(火曜日) 9:58 -15:45 (予定)

開催形式:オンライン

参加料: 無料

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研究会趣旨 

2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて有効手段の迅速な対応が必要となっている。特に多くの課題を抱える材料開発において、表面真空科学は最先端研究の要となっている。

本セミナーではカーボンニュートラルに関連する材料開発や解析のエキスパートをお招きして講演をいただく。

 

 

担当者

近藤 剛弘(代表、筑波大学

宮内 良広 (防衛大学校)

関場 大一郎 (筑波大学)

小嗣 真人(東京理科大学)

 

講演者 :

招待講演

高鍋 和広 東京大学

阿部 仁    (高エネルギー加速器研究機構)

増田 卓也 (物質・材料研究機構)

齋藤 寛之 (量子科学技術研究開発機構)

清水 亮太 (東京大学

北野 政明 (東京工業大学)

古川 森也 (大阪大学)

中村 潤児 (九州大学)

 

プログラム

講師(敬称略)、講演題目、要旨

 

9:58-10:00   主旨説明:近藤 剛弘 筑波大学


10:00-10:30 
  招待講演

高鍋 和広東京大学

講演題目:メタン酸化カップリング:反応機構から反応器デザイン

要旨:メタン酸化カップリングはメタンと酸素から石油化学の基幹原料であるエチレンなどに転換する反応であり天然ガス有効利用法の観点から注目されている。本講演ではアルカリ金属塩含有触媒を用いたメタン酸化カップリング反応に関して、マイクロキネティックアナリシスから反応器デザインまで検討した結果を報告する。

 

10:30-11:00  招待講演

阿部 仁 (高エネルギー加速器研究機構)

講演題目:全反射X線分光法の固液界面in situ測定への展開とカーボンニュートラルへの貢献

要旨:X線領域のX線分光法(XAFS)は目的元素の価数や局所構造が得られる手法であり、各種化学反応のin situ測定も可能であることから、様々な分野で広く利用されている。一方で、基本的にバルクを観る手法であり、表面観察には不適と通常認識されている。そこで我々は、表面敏感な"XAFS"測定手法の開発を行い、表面感度2 nmで情報を得ることに成功し、全反射X線分光法(TREXS, Total REflection X-ray Spectroscopy)を名付けた。さらにTREXSを固気界面へ適用できるようにするべく、高度化・開発を続けているところである。本講演では固液界面TREXSの開発とそのカーボンニュートラルへの貢献について議論したい。

 

11:00-11:30  招待講演

増田 卓也 (物質・材料研究機構)

講演題目:酸化物型全固体電池の接合プロセスおよび充放電反応のマルチモーダル解析

要旨:EV向け酸化物型全固体電池の実現に向けて、高性能な固体電解質材料の創出、優れたイオン伝導性界面の構築、充放電時における電極相および界面状態の解明などが課題となっている。本講演では、X線吸収微細構造法およびX線回折法による界面接合プロセスの観察に関する取り組みに加え、独自に開発したオペランドX線光電子分光法および原子間力顕微鏡による充放電反応解析に関する最近の結果を報告する。

 

11:30-13:00 昼休み

 

13:00-13:30  招待講演

齋藤 寛之 (量子科学技術研究開発機構)

講演題目:放射光と高圧技術を利用した新規水素化物探索研究

要旨:水素の化学ポテンシャルが吸蔵する1 GPa以上の高圧下では、常圧では進行しない金属の水素化反応が進行する様になる。このような水素化反応を利用して新規水素化物の合成研究を進めている。ここで、圧力を含む広範な合成パラメータ空間を効率的に探索するために、放射光X線回折法による高温高圧その場観察技術を活用している。講演では新規アルミニウム合金水素化物の合成に関する成果を紹介する。

 

13:30-14:00  招待講演

清水 亮太東京大学

講演題目:金属水素化物エピタキシャル薄膜における水素の荷電状態制御と物性変調

要旨:水素を含む化合物は、従来の水素エネルギー関連に加え、近年では固体イオニクスや固体物性(特に超高温超伝導)などまで大きな関心を集めている。本講演では、エピタキシャル薄膜を対象として、準安定水素化物の作製と水素の荷電状態に着目した物性制御の事例を紹介する。

 

14:00-14:30  招待講演

北野 政明(東京工業大学)

講演題目:固体材料のアニオンサイト制御による活性触媒表面の構築

要旨:アニオンサイトにHイオン,N3イオン,電子等を有する無機固体材料を開発し、これらアニオンサイトが直接的もしくは間接的に機能することで、低温で高効率にアンモニア合成を進行させる触媒の開発を行ってきた。本講演では、これら材料を活用したアンモニア合成触媒開発に関する最近の取り組み、またこれら新材料をアンモニア合成以外の化学反応にも適用した例について紹介する。

 

14:30-14:45 休憩

 

14:45-15:15  招待講演

古川 森也(大阪大学)

講演題目:多元素合金を用いた高難度分子変換のための触媒設計:CO2とアルカンの同時活性化

要旨:CO2を酸化剤としたプロパンの酸化脱水素は、基幹化学品であるプロピレンの製造とCO2の有効利用、既存工業プロセスのカーボンニュートラル化を同時に達成可能な有望な反応である。本講演では様々機能を有する複数の金属元素を原子レベルで近接させることが可能な多元素合金を駆使し、性質の全く異なる両分子を同時かつ効率的に活性化させ、かつ選択性・熱的安定性を向上させる触媒設計の方法論とその実施例について紹介する。

 

15:15-15:45  招待講演

中村 潤児 (九州大学)

講演題目:カーボンニュートラル社会で求められる触媒技術

要旨:カーボンニュートラルにおける触媒の役割は極めて大きい。エネルギーキャリアとして相応しい分子を選択することが急務であるが、エネルギー変換用の触媒は大量に必要であろう。その点を踏まえた触媒研究を、今、世界は必要としていると考える。本講演では、カーボンニュートラル政策に対する私見を述べ、さらに、CO2からのメタノール合成とカーボン触媒の研究について紹介したい。