主催:(社)日本表面科学会中部支部
協賛:(社)応用物理学会東海支部、日本物理学会(予定)、日本トライボロジー学会(予定)

市民講座やさしい表面科学
低炭素社会とまさつ

日本表面科学中部支部では、毎年、市民講座 やさしい表面科学 を開催しております。今年の市民講座のテーマは「低炭素社会とまさつ」です。5名の先生をお招きして、地球規模の大きなスケールから原子スケールまで現れる摩擦現象のおもしろさや不思議さを紹介すると共に、摩擦が日常生活にいかに積極的に関わっているかをわかりやすく市民の皆様にお伝えしたいと考えています。さらに、低炭素社会の実現に向けた超低摩擦研究の最前線を紹介することによっていかに摩擦の低減が社会に貢献できるかも知ってもらいたいと思います。講演の休憩時間には、摩擦なく走るホバークラフトの工作、実験も行います。

日時 2012年7月28(土) 13:00−17:05

会場 名城大学 名駅サテライト 名古屋駅前桜通ビル13階(名古屋市中村区)
                      (JR名古屋駅 徒歩7分)
定員 100名(参加費無料、定員超過等の場合はご連絡致します)

プログラム講演概要

13:0013:10  あいさつ 吉村雅満(支部長、豊田工業大学)、三浦浩治(愛知教育大学)

13:1013:50 「摩擦原子、分子から固体、地球、宇宙へ−」

松川 宏 先生 青山学院大学 理工学部

13:5014:30 「分子のボールを転がして究極の省エネ!?〜摩擦がつなぐナノテク・バイオ・環境の世界」

佐々木成朗 先生 成蹊大学 理工学部

14:3015:00 −ホバークラフト作ろう(工作)− 〜休憩〜

15:0015:40 「浮かせてまさつを減らす−量子浮揚の可能性を探る−」

乾 徳夫 先生  兵庫県立大学 工学研究科

15:4016:20 「自動車における摩擦低減の取り組み」

加納 眞 先生  神奈川県産業技術研究所

16:2017:00 「自動車の摩擦を分子レベルから考える」

鷲津 仁志 先生  (株)豊田中央研究所

17:0017:05  むすび 村上健司(副支部長、静岡大学 電子工学研究所)



お申し込み方法
FAXまたは電子メールで下記までお申し込みください。

その際、「やさしい表面科学 申し込み」と明記し、下記項目をご記入下さい。
       ・参加人数
       ・氏名
       ・所属(学校名、職業)
       ・連絡先
  なお、いただいた情報は、市民講座への参加者の把握・連絡にのみ使用します。

締め切り 2012年7月23日(月)

お申し込み・お問い合わせ先
住所:〒470-0195 愛知県日進市岩崎町阿良池12
愛知学院大学 城 貞晴
FAX: 0561-73-1860
E-mail:sadaharu@dpc.agu.ac.jp


 講演の概要

「摩擦原子、分子から固体、地球、宇宙へ−」

松川 宏 先生  青山学院大学 理工学部

摩擦は私たちに最も身近な物理現象の一つである。摩擦がなければ我々は歩くことも出来ず、自動車も走れない。一方、物を動かそうとするとき、摩擦はしばしば邪魔になるので、それを制御するため多くの研究が古代から行われてきた。また摩擦は原子、分子スケールから地震のような地球規模のスケールまで多様な舞台で起こる。ある種の恒星ではもっと大きなスケールの摩擦現象−星震−を起こすものもある。多様な摩擦の姿を見ていこう。

 

「分子のボールを転がして究極の省エネ!?〜摩擦がつなぐナノテク・バイオ・環境の世界」

佐々木 成朗 先生  成蹊大学理工学部

わたしたちは、炭素原子で出来た分子のボールをビー玉のように転がしています。摩擦をゼロの極限まで小さくして究極の省エネを目指す試みです。摩擦を制御してナノテク、バイオ、環境をつなぐ新たな科学技術を切り開く現場を紹介します。

 

「浮かせてまさつを減らす−量子浮揚の可能性を探る−」

乾 徳夫 先生  兵庫県立大学 工学研究科

摩擦を小さくする究極の方法は表面の接触が無くなるように物体を浮かせることです。これまでに開発された浮揚技術に加え、古典物理学では説明不可能な力を用いた新しい浮揚方法についてお話します。

 

「自動車における摩擦低減の取り組み」

加納 眞 先生  神奈川県産業技術研究所

日本製自動車の品質、環境性能が優れている理由の一つとして脈々と続いている摩擦への取り組みがある。主にエンジン・駆動系部品における、30年前の摩耗対策、15年前の性能向上、そして現在に至る摩擦低減に対する取り組みを、実開発事例に基づき紹介する。

 

「自動車の摩擦を分子レベルから考える」

鷲津 仁志 先生  (株) 豊田中央研究所 先端研究センター

自動車は「動くもの」ですから、摩擦と無縁ではいられません。エンジン内ではピストンが絶えず動いていますが、その摩擦はなるべく小さくしたいものです。逆に、摩擦で動力を伝える変速機では、摩擦を大きくしたいものです。最初の乗り物の発明以来、トライボロジストと呼ばれる科学者・工学者たちは、こうした摩擦制御の問題に取り組んで参りましたが、近年、分子レベルの原理原則から解決できるようになりつつあります。本講演では、自動車工学における摩擦解析の実例を、次世代スパコンプロジェクトにおける潤滑油の大規模分子シミュレーションや、硬質表面処理で摩擦が下がるメカニズムなどの事例を通してご紹介いたします。


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