日本表面科学会中部支部主催/(社)応用物理学会東海支部、(社)電気化学会東海支部協賛

市民講座 「太陽エネルギーの利用 −最近の太陽電池−」

 今年の市民講座は「太陽エネルギーの利用―最近の太陽電池―」です。環境問題やエネルギー問題が叫ばれている今日ですが、太陽や風などの自然のエネルギーを利用した発電は環境にもやさしいため期待されています。市民講座では太陽電池とは何か、最近注目されている色素増感太陽電池について、およびその問題点や応用について専門の先生方からやさしくお話していただきます。またデモ・演示も用意していますので、大勢の方々のご参加をお願いいたします。

日時 2005年8月6日(土) 13:00−17:00

会場 名古屋工業大学・2号館C棟・F1教室

定員 80名(参加費無料、定員超過等の場合はご連絡致します)

プログラム
1. 13:00−13:05  あいさつ
              財満鎭明 先生(支部長、名古屋大学・大学院工学研究科)
2. 13:05−13:50  太陽電池とはどういうモノか
              市村正也 先生(名古屋工業大学・大学院工学研究科)
3. 13:50−14:35  フィルム型カラフル太陽電池
               箕浦秀樹 先生(岐阜大学・大学院工学研究科)
4. 14:35−15:15  デモ・演示
              岐阜大、静岡大、名古屋工業大、大同工業大グループ
休憩 15:15−15:25
5. 15:25−16:10  色素増感太陽電池実用化の課題
              金子正治 先生(SPD研究所)
6. 16:10−16:55  太陽電池の応用 −身近なところから、遠いところ−
              根上卓之 先生 (松下電器産業(株)・先行デバイス開発センター)
7. 16:55−17:00  むすび
              福田安生 先生(静岡大学・電子工学研究所)

お申し込み方法
はがき、FAXまたは電子メールで下記までお申し込みください。その際、「やさし
い表面の科学申し込み」と明記し、参加人数、氏名、所属(学校名、職業)、住所、
電話番号、電子メールアドレス等をご記入下さい。               

締め切り8月3日(水)

お申し込み・お問い合わせ先
住所:〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町、名古屋工業大学大学院機能工学専攻・
市川 洋
電話/FAX番号:  052-735-5295

  [名古屋工業大学への交通案内]
・ JR東海 中央本線 鶴舞駅下車
・ 地下鉄 鶴舞線 鶴舞駅下車
・ 地下鉄 桜通線 吹上駅下車
・ 市バス 栄18系統(栄−妙見町)名大病院下車

【講演の概要】

・太陽電池とはどういうモノか   (市村正也 先生)

 太陽電池は一つの科学技術であり、また社会に出回っている一つの商品でもある。
この二つの視点から、太陽電池について多面的に解説をする。開発の歴史を簡単に紹介したあと、発電原理を説明し、エネルギー変換効率について解説する。太陽電池の効率は高くても20%程度だが、なぜそれ以上高くならないかを説明する。ついで様々な用途を紹介し、経済性について考察する。また製造時に要するエネルギーの問題など環境への負荷についても考える。最後に、残された技術的課題とそれを解決するための最新技術を紹介する。現在もっとも広く用いられているシリコン太陽電池を中心に議論するが、必要に応じて新しい材料についても触れる。

・フィルム型カラフル太陽電池   (箕浦秀樹 先生)

これからの太陽電池は高性能であることに加えて、きれいで、安くて、しかも環境にやさしい方法で作られることが必要。本講演では、ビーカー中での短時間の電気めっきによってプラスチックフィルム上に色鮮やかな太陽電池を作り上げる方法について紹介し、太陽電池の将来の応用について参加者といっしょに考える。

・色素増感太陽電池実用化の課題   (金子正治 先生)

 環境保全とエネルギー供給の両立から安価な太陽電池の開発が待望されて久しいのですが、経済産業省も2010年に500万kWの太陽光発電を見込み、その一翼をありふれた材料を使い、製造が容易な色素増感太陽電池が担うことを期待しています。しかし、1991年にグレッツェル教授(スイス・ローザンヌ工科大学)が提唱したこの色素増感太陽電池は、以来、光電変換効率の向上に加えて、面積拡大が困難、透明電極が高価、液相電解質の寿命が心配、といったことから実用化の見通しが十分には立たない状況にあります。私たちは、新しい化学的薄膜形成技術をベースにして、これらの課題の解決を図り、色素増感太陽電池を用いた発電パネルの製造を目指しています。今回、他の研究グループの成果を含めて色素増感太陽電池実用化最前線を少しでも知っていただきたいと考えています。

・太陽電池の応用 −身近なところから、遠いところ−  (根上卓之 先生)

私たちは、家庭、職場、町では、火力、水力、原子力で発電された電力を使っています。しかし、火力発電に使う石油などの化石燃料には限りがあり節約しなければならず、また消費の段階で発生する二酸化炭素を軽減する工夫もしていかねばなりません。このような地球環境への配慮から、クリーンなエネルギーとして、太陽電池の研究開発が積み重ねられてきました。屋根に太陽電池のパネルを取付けて、家庭用の電力を作り出す家屋も増えてきましたが、住宅のみならず、太陽電池の用途も拡がってきています。本講演では、身の回りから、宇宙といった遠いところで、いろいろ使われている太陽電池の応用についてお話しします。


【デモ・演示の概要】

・作り方をビデオ(テレビ番組)で示し、フィルム型カラフル太陽電池によりファンを回したり、電卓やメリーゴーランドを動かすことを実演する。ウェアラブルソーラーやソーラーパラソルなど未来における応用例をビデオで見せる。   (岐阜大グループ)

・太陽電池パネルとインバーターで家電製品を動かす、というもっとも一般的な使い方の実演を行う。  (名古屋工業大グループ)

・試作モジュールの展示とデモ。 (静岡大グループ)

・試作した色素増感太陽電池の展示とデモ。 (大同工業大グループ)

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